2SB186

ゲルマニウムトランジスタ 松下 2SB178



低周波電力増幅用として1W出力を想定して設計された石です。
2SB172,B176,B371,B475等々のトランジスタでは出力が足りないときに用いると、その有利性が生かせます。中出力用トランジスタの重鎮と言えましょう。


元々はTC−12という背の高い独特の筐体です。
でも何故「通常のTO−1」に収まっているのでしょう?
1970年代も後半にさしかかると各社は続々とゲルマニウムトランジスタの製造を打ち切っています。
そのゲルマニウムトランジスタの量産工場として国内最後まで生産ラインが稼働していたのは松下電子工業の子会社である鹿児島松下電器(鹿児島県伊集院町)です。
2SB170シリーズの中で一足先に保守廃品種が内定していた2SB178・178Aは製造打ち切りを前に資材であるTC−12筐体を切らしてしまいました。
今さら新規にTC−12筐体を資材として調達することはムダであるとして、共通資材であるTO−1筐体に収めて最終生産に臨んだのでした。1977年頃のことです。


【諸元】
製造元:松下電器産業株式会社
構 造:ゲルマニウムPNP合金接合型
【最大定格】
コレクタ・ベース間電圧: −20V
コレクタ電流     : −300mA
コレクタ損失     :  225mW

画像及び本文:klx_111様