2SB466

ゲルマニウムパワートランジスタ TEN 2SB466



これまた古い石です。1970年代初頭には現役を退いて保守品種〜廃品種となっています。
コレクタ電流に比べコレクタ損失が大きいので少々無理が利きそうです。
「DC−DCインバータで使っていた、タフな石だよ」と当時の利用経験者からコメントをいただいています。


【諸元】
製造元:神戸工業株式会社(現富士通テン)
構 造:ゲルマニウムPNP合金接合型
【最大定格】
コレクタ・ベース間電圧:  −40V
コレクタ電流     : −500mA
コレクタ損失     :   12W


 ラジオ生産の名門だった神戸工業(株)、その優れたトランジスタ製造技術が半導体部門強化を急いでいた富士通(株)の目に留まり、合併に至ったと言われています。

【神戸工業(株)沿革】
 1920年 川西機械製作所創立。
 1949年 財閥解体により会社解散。神戸工業(株)設立。
 1959年 カーラジオのオールトランジスタ化に成功。
 1968年 神戸工業(株)、富士通(株)と合併。ラジオ部門は富士通(株)神戸工業部の所属となる。
 1972年 ラジオ部門を富士通(株)より分離。富士通テン(株)設立。


【「TEN」の由来】
 川西機械製作所の会長の発案により、1946年に制定されたものです。
 東洋思想にあって、「天」は最高至上を意味するほかに完全・真実・誠意なども象徴しています。
 また中国儒教の古典として有名な「四書」のうち、中庸に「誠は天の道なり、これを誠にするは人の道なり」という一節があります。誠は企業経営の基本理念でなければならないということから制定されました。
 一方 「テンは天に通じる」 ということから 「テン」 という商標が社是と同時期に制定され、「富士通テン」 はこの商標に由来しています。



画像及び本文:klx_111様